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November 18, 2006
金森宗和三百五十周年忌茶会

武者小路千家千宗屋さんからお誘いいただき、根津美術館内一樹庵で催された濃茶席へ寄らせていただく。お声をかけていただいた折、スケジュールも見えなかったのと共に濃茶席という格式にもびびり、どうしたものかと思い直接千さんにメイルしたら「大寄席なのでお気軽に」と逆に気を遣っていただき、ほんとありがとうございます。とは言え数年前表千家の手習いを少々しただけで、茶事も数度の経験しかなく、ビビらない方が、まぁおかしいわけで。庵に到着すると二席目のグループに入り、外で待っている間にリラックス。京都でお会いした折にも「正客にならなければ大丈夫ですから」と言われ、二番グループの番が来て座敷にはいるも案外平常のまま。本番に強いかも。けど普段履き慣れない革靴が足の小指を圧迫したのと意外な寒さが末端神経を麻痺させはじめ、座敷に正座してみれば、「うン?ちとやばいかも。。」というようなもぞもぞした状態を予感。そう言えば前回の三夕茶会の時もおもいきり痺れたっけ。とそこへ主の千さん登場で、いつもの緊張を解きほぐす話術炸裂で、14名ほどの一席のなかで自分にもお気遣いのお声をかけていただき、「足、くずしても大丈夫ですから」って、やっぱりすっかりバレバレなのであった。お隣のキャリア組の着物のご婦人に「はじめてなのでよろしくお願いします」とお声かけしてとりあえずとりつくろい、菓子がでると用意して来たお茶用金属製ヨウジのようなもので切り出すと、件のご婦人が「あ、手づかみで、もう良いと思いますよ」とおっしゃれるのも後の祭りで、すっかり金物ヨウジはしっとりとした菓子の生地に食い込み、少々抜き差しならない状態になる。このまま無理するとよくフォーク使いがままならないで肉まで飛ばすというベタな状態が発生するなぁなんて真剣に思いつつ、平静を装い一気に懐紙まで進む。なんとかこれで切り出した一片を口まで運ぼうとすると、圧力が強すぎたのか懐紙の紙まで一部はぎ取り着いて来る。もうさすがにめんどくさくなっていて「これも縁だな」と思い菓子と紙のハイブリッドを口中に没せさせる。かなり内心ウケた。この間わずか2、3分のものだが永遠に近い宇宙があった。で、いよいよお点前。濃茶はシェアシステムだから一椀を4人ないし3人でまわす。ということは14名だから4グループにわかれてそれぞれ茶碗が置かれる。いやな感じがした。やはり4グループ目のトップが僕で、するとそれを見た千さんからすかさず「お、ロシアンルーレットに当たられましたね」とツっこまれました。すみません、うまくボケられなくて。件の隣のご婦人は「この人大丈夫かしら」的波動をちらみしながら明らかに出してるし、あ、でもなんとなくこれは大丈夫だな、って思いました。根拠はありませんが。だって目の前に茶碗があれば、挨拶してそれをとって飲めばいいわけでしょ。であんなに濃いもの飲み干せるわけないから挨拶して次に送る。いざ畳にすわると意外にすんなりやれるもので、まぁもっともルールなんかもうお構いなし的なその場に対する甘えに成り立った蛮行ではあるのですが。。しかし千さんのお席はとても暖かさを感じるのです。居心地が良いと申しますか。こんな無礼千万な不粋者も受け入れて下さるといいますか。点前席では水指の仁清流れ釉鬼桶が好きでした。あ、それと茶杓。あま小舟。本席はどれもこれも素敵でしたがあの釜、名物宗和好八角口。みたことありませんでした。かなりウケた。そして花入。花入、美しかった。宗和作木花入法師。今日もありがとうございました。
投稿者 isao tsuge : November 18, 2006 02:02 PM