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December 06, 2005
ギエム最後のボレロ

シルヴィー・ギエムによる最後のボレロを東京文化会館へ観に行く。この作品はラベルの曲に1960年モーリス・ベジャールが振り付けた傑作である。非常に有名なのはジョルジュ・ドンによる舞いで、彼が亡くなるまで彼以外の公演はなされなかった。彼の死去以来、時代時代の才能が舞っている。僕はドンの踊りは映像でしか観たことがないが空いた口がふさがらない素晴らしさだった。その後、友人の首藤さんがボレロを踊ることを許され、彼の舞う最後のボレロを観た。熱狂的だった。そして今夜のギエム版である。思うにボレロは男性のために振り付けられた作品だろうが、ギエムはこれをジェンダーを超えたニーチェ的解釈に変え、作品が持つシャーマニックで儀式的な側面を際立たせている。それだけでも今世紀最高のプリマと言われるにふさわしい踊りだが、彼女の潔癖で完成度の高い技術力が人間的な情緒を超えた超人性を目の当たりにさせる。ともすれば感情的になりやすいフォルムや動きを加速度を殺さぬまま情緒に抑制を与え表現の乾燥度を高めている。このような表現の瞬間を分かち合えるだけでも至福を感じた。
投稿者 isao tsuge : December 6, 2005 11:43 PM